&nbsp; <span>リリーちゃんという娘は、以前にも書きましたが、タイのイサーン（土地の痩せた、貧困地域）にある「ノンカイ」の出身で、生まれてすぐ、父親が女を作って家を出た為、苦労して育ったようです。携帯電話で写真を見せてもらいましたが、家と申しましても、鶏小屋に使うような、安いコンクリートブロックを、雑に積み上げて、上にトタンをかぶせただけの「あばら家」です。ガラス窓すらありません。床は地べたそのままです。家の前の小さな池に住む小魚を食べたり、近所の人に果物や野菜を分けてもらったりして暮らしてきたようです。「トッケー」というトカゲを捕まえて、それを皮屋さんにもっていき、お小遣い（一匹約２００円）を得ていたとも言っておりました。今現在の実家には、70歳を超えた母親と、未成年時代のバイク事故で首から下が動かない兄が暮らしています。高校を卒業した後、バスで2時間ほどの所にある「ウドンタニ」のコンピューター専門学校に通い始めたそうですが、交通費を含めた学費が続かず、すぐに辞めてしまったそうです。その後、仕事を求めて、パタヤに出てきたのです。</span> <div> &nbsp;&nbsp;この娘と出会ったのは、まだ、この娘が19歳の時で、その時は、いつも、ちょこんと某の横に座ってペプシを飲んでいました。年齢的幼さもあり、本当に可愛らしくて、ただただ、実の娘のように可愛がっておりました。プレゼントも、お小遣いも、たくさんあげました。服や靴もたくさん買ってあげたし、美味しいものも、たくさん食べさせてあげました。その為、幸せ太りをしたのか、２７歳になった今、デブのおばちゃんになってしまいました。あの時の、細身で可愛らしいリリーちゃんは、いずこへ・・・・・（笑）。 </div> <div> &nbsp;もちろん、某とリリーちゃんの間に、大人の関係は一切ありません。「父と娘ごっこ」の間柄ですから・・・・・（笑）。それゆえか、リリーちゃんは、某があげたお小遣いで、お店の同僚の黒服さんと、閉店後、度々、デートを重ねていたようです。バイクで二ケツをし、ある時は、一緒に大好物のカルボラーナを食べ、また、ある時は、これまた大好物のムーガタ（豚肉のお鍋）を食べていたようです。某に分からぬようにこっそりと・・・・・（笑）。もちろん、普通の男女交際は、全然かまわないのですが、「店の黒服さんだけは、止めておきなさい・・・・・」と注意していました。日本各地のスナックを巡った某の経験上、「黒服」と一緒になった女性で、幸せになった人は、ほとんどいないですから・・・・・。おおむね、「浮気」「DV」「ギャンブル」「生活力の欠如」のいずれかに当てはまります。その父たる某の言いつけを、リリーちゃんは、守らなかったのです。「親の心、子知らず」です（涙）。二人は、やがて結婚し、夫の家族と同居します。そして、やがてコロナが流行る1か月ほど前に、赤ん坊（女の子）を産みました。ただ、同居によるストレスが原因で、8か月で早産してしまったそうです。未熟児として生まれた為、一時、生死の境をさまよいましたが、今は元気に育っており、年齢も、３歳になったようです。 </div> <div> &nbsp;&nbsp;おそらく、夫の家族にしてみれば、仕事などをせず、完全に家に入ってほしかったんだと思います。しかし、リリーちゃんは、「ノンカイ」の実家に生活費を送らなければなりません。夫の実家が裕福であれば、何の問題もなかったのですが、残念なことに、夫の実家は、ファミリーが食べていくのに精いっぱいの貧困家庭でした。やがて、リリーちゃんは、ギャンブル狂いの夫との喧嘩（けんか）が絶えなくなっていきます。リリーちゃんが、8か月で早産してしまったのは、このストレスが大きかったようです。 </div> <div> &nbsp;&nbsp;リリーちゃんは、実家に仕送りをするお金を稼ぐ為、コロナ期間中も、子供を夫の実家に預け、働きに出ました。ゴルフのキャディー、セブンイレブンの店員、コメの卸問屋の俵運び・・・・・。やがて、タイが、開国し、パタヤが復活し始めると、リリーちゃんは、パタヤに自分だけの部屋を借り、昔、楽してお金を稼げたパタヤに戻って来たのです。 </div> <div> &nbsp;そんなリリーちゃんと、再び、再会する事になりました。というのも、昔なじみのデッド（年齢不詳）が、「リリーちゃんの新しい勤務先に案内してやるから、早くバイクの後ろに乗れ・・・・・」とワンワンワンワンうるさいので、元気にしているか気になっていた事もあり、仕方なく会いに行く事になったのです。このデッドという男は、「１９歳の時のリリーちゃんと出会った店」で黒服をしてたやつで、リリーちゃんの夫の同僚でもあります。リリーちゃんにギャンブラーの夫との結婚を勧めた主犯格でもあるので、リリーちゃんに対して責任を感じているのかもしれません。おそらく、某とリリーちゃんをくっつけて、リリーちゃんに幸せになってもらいたいのです。分かりやすい男です（笑）。この男は、顔面にまでタトゥーのある大男で、ブルドックを巨大化して人間っぽいメークを施したような、一見、恐ろしい外見をしていますが、心根はやさしい男なのです。 </div> <div> &nbsp;そんなわけで、今回も、リリーちゃんと再会したのですが、かなり取り巻く状況が変わっていました。夫とは、離婚したようです。もともと正式な籍を入れていなかったので、離婚もスムーズだったようです。３歳の娘は、養育費として毎月２００００円を支払うという約束で、夫の実家が引き取りました。今でも、月に一回は会っているそうです。そして、離婚の遠因（経済的負担）となっていたリリーちゃんの母は、その後、急に亡くなったそうです。６５歳（見た目は、８０代）でした。そして、体が動かず寝たきりの兄は、月１２０００円の仕送りで、親せきが世話をしてくれる事になったようです。リリーちゃんが言うには、家賃２８０００円、通勤のためのバイク代２００００円、子供への仕送り２００００円、兄の為の仕送り１２０００円で、計８００００円が毎月消えていくそうです。収入は、９００００円程なのに・・・・・。リリーちゃんは、お金がないのか、以前、プレゼントしてあげた中古の高級時計（新品なら６０万円ぐらい）を「いくらでもいいから、買いとってほしい」と言い、腕から外しました。７年ほどの歳月が流れ、かなり古びて傷もつき、もはや商品としての価値はなかったので、１８金の地金代として１２０００円で買い取ってあげました。翌日もリリーちゃんの勤める店に行き、「昨日の１２０００円で何を食べたんだ？」と冗談のつもりで尋ねると、嬉しそうな顔をして、「４０００円だけ使って、豚のお鍋（現地用語では、ムーガタ）を食べた・・・・・」と、明るくケロリと言いました。一食４０００円って、我々日本人でも、なかなかの金額ですよ・・・・・（笑）。 </div> <div> &nbsp;&nbsp; </div> <div> &nbsp;&nbsp;今回、皆様にご紹介いたします商品は、コロナ前、ミャンマーで購入したスピネルを、タイで再研磨し、ダイヤモンドカットを施したルースです。キラキラと良く輝きますので、指輪になさったり、観賞用にコレクションなさってもよいかもしれません。 </div>