仕様：1985年製FENDER ST-557のボディです。 <br> <br> 1984年に登場いたしましたBOXERシリーズの1グレードですが、基本はサイドジャック＆ロック式ブリッジ(厳密にいうとロックはしません)のストラトボディになりますが、このST-557だけは3シングルPUの白ピックガード仕様ということもあり唯一舟形ジャック仕様になっています。 <br> <br> FENDER JAPAN創設当時はFENDERブランドがビンテージ系、Squierブランドが当時のギミックや新要素を搭載したコンテンポラリーシリーズという今風なギター(ビンテージ系も出していましたが)という住み分けをしていましたが、1984年にFENDERブランドの方でもBOXERという新シリーズで今風(1984年当時)なモデルを登場させていきました。 <br> <br> 最初厳しかった本家も、だんだん寛容になっていったのでしょうかね。 <br> <br> 同価格帯のラインには3機種あって、ST-555は2ハムモデル、ST-556はSSH、ST-557は3シングルになっておりまして、ST-555とST-556のボディは3ハムバッカーザグリになっており共用していますが、ST-557だけは3シングルザグリと舟形ジャックという仕様なので専用ボディになっています。 <br> <br> カラーもこのモデルだけ3トーンサンバーストの設定があり、こちらの商品もそのカラーになっています。 <br> <br> 他にはネックの仕込み角度を変更できるシステムを装備しています。 <br> <br> ボディ材は1986年以降になるとバスウッドかアルダーボディになっていきますが、1984年から1985年モデルはアルダーボディだけの設定になっています。 <br> <br> ただこのST-557に関しては、当時(1980年代中期)は日本もそうですが世界的にもHM/HRのムーブメントが盛り上がってゆく過程において、派手目なギターの方が人気があったので、3トーンサンバーストにクロームパーツ、ネックもナチュラル仕上げ、PUも3シングルというのは当時の世相において圧倒的に地味だったこともあり、BOXERシリーズに多いAシリアルの個体ではなくEシリアルの初期物が圧倒的に多いです。 <br> <br> 恐らく初期ロットだけしか作られなかったような感じもあります。 <br> <br> ただ、海外向けに同シリーズのブリッジをKaler FulcrumやKahler SpyderにしたST-562というモデルがあり(ネックもST-557と共用)、そのモデルはＡシリアルやＢシリアルがあります。 <br> <br> シリアルによってはネックのヘッド部分にプリントされるものあれば、ネックプレートについているものもあります。 <br> <br> あと、この個体で特徴的なものといえばネックポケット部に機種の557スタンプと、Eというスタンプ、さらにRスタンプがあります。 <br> <br> Eはシリアルの頭だと思うのですが、Rスタンプはちょっとわかりません。 <br> <br> ネットでネックポケット部のスタンプについてググると、NやらAやらSは発見できるのですがRスタンプはありませんでした。 <br> <br> ビンテージ系なルックスながらBOXERシリーズという機種なので、通常のモデルと区別のため押されているのかもしれませんね。 <br> <br> 製造はいかにもフジゲンといった感じで造りの良さはもちろんですが、スタッド径が8mmだったり、パネルがいかにもフジゲンパーツであったりして、Ibanez、Greco的な面もあります。 <br> <br> 汎用性は装着されていたブリッジがFENDER BLADE SHOOTERというこれまたフジゲン製ギターに多いオリジナル規格のブリッジなものでスタッド間は78mmとなっているので装着ブリッジは結構限られます。 <br> <br> 専用パーツを多く使用し意欲的なシリーズでしたが、1988年以降はPRO-FEELシリーズに移行したため廃盤になりました。 <br> <br> 個人的には同シリーズの2ハムのテレキャスタイプが密かに好みでした(ほとんど売れなかったようであまり市場に出てきませんが)。 <br> <br> まれにオークションに出てきますが、程度が絶望的なものが多いんですよね。 <br> <br> <br> スペックは <br> <br> ボディ材はアルダー3P。 <br> <br> つば出し22F、つばなし21Fのレギュラースケール（648mm）対応ボディ。 <br> <br> ネックポケットはラウンド形状。 <br> <br> PUザグリは3シングルザグリ。 <br> <br> ブリッジはブレードシューターという専用ブリッジ対応でスタッド間は78mmで、スタッドはフジゲン製ギターに多い8mm径スタッドを使用します(アンカーはボディに内蔵)。 <br> <br> ジョイントはオーソドックスなプレート４点止めですが、ネック仕込み角アジャスト機能を使用するには専用(アジャスト用の穴が開いている)プレートがあった方が良いでしょう。 <br> <br> ジャックは舟形ジャックに対応。 <br> <br> カラーは3Tサンバースト。 <br> <br> サイズ：ネックポケットのサイズは幅56.3mm、深さ16.2mmです。 <br> <br> 重量：1851g。 <br> <br> コンディション：元々使用感の少ない個体で個人的にキープしていたものです。 <br> <br> ですのでエルボー部分に写真に載せてある傷がある程度で、他には特に目立つ傷はなく程度の良い個体です。 <br> <br> 送料は、ゆうパック100サイズです。 <br> <br> ということで、当時あまり売れた機種ではないということもあり、非常に希少なモデルになっています。 <br> <br> 今から40年近く前のボディとは思えないほど程度の良い個体です。