基俊太郎　 <br> <br>彫刻　地蔵　3体 <br> <br>本人サインも入っています。 <br> <br>基さんの生前に頂きました。 <br> <br>左２体は足首の部分が割れていて補修してあります。 <br> <br>年代物ゆえ、痛みや汚れはご理解下さい。 <br> <br>--- <br> <br>彫刻家で碌山美術館顧問の基俊太郎は6月2日に死去した。 <br>享年81。 <br> <br>1924(大正13)年鹿児島県名瀬市(現、奄美市)に生まれる。 <br>1943(昭和18)年東京美術学校彫刻科彫塑部予科に入学、教授の石井鶴三、助教授の笹村草家人の感化を受ける。 <br>49年再興第34回院展に「首習作」が初入選。翌年東京美術学校彫刻科を卒業。 <br>同年石井鶴三教室にイサム・ノグチを迎えた折、基の「杉山勇像」を見て「私もこういうのが作りたいけれど私には出来ません。これはジャコメッティですね」と推奨される。 <br>同年この「杉山勇像」が院展に入選し、日本美術院院友に推挙される。 <br> <br>57年石井鶴三を中心とする法隆寺金堂雲斗雲肘木の復元事業に携わる。 <br>53年東京芸術大学彫刻科石井教室の助手となる。 <br>55年第40回院展に「夏の人」を出品、日本美術院同人に推挙される。 <br>58年碌山美術館開館のために笹村草家人とともに助力。 <br>桂離宮の庭園を精緻に調べ、独自の住空間理論を得た基は60年芸大講師を辞し渡米、61年ハーバード大学大学院造園科で特別講義「空間の概念と形式について」を行う。 <br>渡米中に日本美術院彫塑部の解散を知る。帰国後、造形の本質を見つめ、美術運動や団体に拘ることなく独自の空間論からなる彫刻、建築、テラコッタ、鉄による造形等、幅広い制作活動を展開していく。また造形論や故郷奄美大島の環境と自然について明晰な評論を残した。 <br>84年には碌山美術館の顧問となり、晩年には同館の収蔵庫や絵画展示棟等の建設に尽力した。